こんにちは。三刀流エンジニアです。
私は20年以上にわたり、生産技術エンジニアとして、工場の生産設備やFA設備の設計・改善に携わってきました。
このレッスンでは、現場経験をもとに、シーケンス制御・PLCを初心者の方にも分かりやすく学べる内容をお届けしています。
前回のレッスンでは、**オンディレイタイマ(通電遅延タイマ)**について学びました。

オンディレイタイマでは、
- 入力がONになってから時間を数える
- 設定時間が経過すると出力がONになる
という、「動き始め」を時間で制御するタイマについて学びました。
今回学ぶのは、その反対ともいえる動きをするオフディレイタイマです。
オフディレイタイマは、
「入力がOFFになってから一定時間後に出力をOFFするタイマ」
です。
停止するタイミングをコントロールできるため、工場設備やPLCプログラムでは非常によく使用されています。
このレッスンでは、
- 動く!体験型シミュレータ(基本編)
- 動く!体験型シミュレータ(ラダー図編)
- 図解を使ったやさしい解説
- 理解度を確認できるレベルチェック練習問題
を通して、オフディレイタイマの仕組みや使い方を、一歩ずつ学んでいきます。
三刀流エンジニアメカトロラボでは、「読むだけ」で終わるのではなく、実際に動かして理解することを大切にしています。
タイマ命令は文章だけではイメージしにくい部分もありますが、シミュレータを操作すると動きが一気に理解しやすくなります。
今回も楽しみながら学んでいきましょう!
こんな方におすすめ
このレッスンは、次のような方におすすめです。
- オフディレイタイマを初めて学ぶ方
- PLC・シーケンス制御の基礎を身に付けたい方
- タイマ命令やラダー図の読み方を学びたい方
- OFFディレイや断電遅延タイマの仕組みを理解したい方
- 工場やFA設備の制御に興味がある方
- シーケンス制御技能検定の学習をしている方
- 工場従事者としてスキルアップしたい方
オフディレイタイマとは?の要点【3行まとめ】
まずは、このレッスンで学ぶポイントを3行で確認しておきましょう。
✅ オフディレイタイマとは、入力がOFFになってから設定時間が経過したあとに出力がOFFになるタイマです。
✅ 入力がOFFになるまでは、出力はONを維持し、停止するタイミングだけを遅らせます。
✅ PLCや工場設備では、残し運転やオーバーラン処理など、「停止を遅らせる制御」に欠かせない基本命令です。
まずは動く!体験型シミュレータで動きを見てみよう
文章を読む前に、まずはシミュレータを操作してみましょう。
実際に動かしてみることで、オフディレイタイマの動きや時間の流れを直感的に理解できます。
やってみよう!
まずは、次の手順で操作してみてください。
① 設定時間を**「0.5秒」**にして、スイッチをONにしてみましょう。
ランプはすぐに点灯します。
次に、スイッチをOFFにしてみてください。
ランプはすぐには消えず、約0.5秒後に消灯することが確認できます。
続いて、
② 設定時間を**「3秒」**に変更して、もう一度試してみましょう。
今度は、スイッチをOFFにしてから約3秒後にランプが消灯します。
設定時間を変えるだけで、停止するタイミングが変化することが分かるはずです。



今回のシミュレータでは、入力スイッチを**オルタネイト(押すたびにON/OFFが切り替わる方式)**にしています。
ボタンを押し続ける必要がないため、オフディレイタイマの動きをじっくり観察できます。
オルタネイトスイッチについては、『c接点とは?』のレッスンでシミュレータ付きで詳しく解説していますので、気になる方はぜひご覧ください。
タイムチャートにも注目してみよう!
今回のシミュレータには、入力と出力の状態がリアルタイムで分かるタイムチャートも表示されています。
最初は難しく感じるかもしれませんが、次のポイントだけ意識すれば十分です。
- 上段が入力(X0)
- 下段が出力(Y0)
- 時間は右から左へ流れていきます
つまり、
「入力がOFFになってから、しばらく出力がONのまま続いている」
様子を確認できればOKです。
時間が経過すると、出力もOFFへ切り替わります。
この流れを見ながら操作すると、オフディレイタイマの動きがより理解しやすくなります。



タイムチャートは、実際のPLCソフトや計測器でもよく使われる考え方です。
最初は「入力」と「出力」の2本だけを見れば十分です。
慣れてくると、「いつ入力が変わり、いつ出力が変わるのか」が自然と読み取れるようになります。
どんな動きをしましたか?
スイッチをONにすると、ランプはすぐに点灯しました。
しかし、スイッチをOFFにしても、ランプはすぐには消えなかったのではないでしょうか。
例えば、
- 設定時間が0.5秒なら約0.5秒後に消灯
- 設定時間が3秒なら約3秒後に消灯
という動きになります。
つまり、入力がOFFになってから設定時間だけ出力を維持していることが分かります。
これが、オフディレイタイマの基本動作です。
なぜこのような動きになるの?
「どうしてスイッチをOFFにした瞬間にランプが消えないの?」
そう思った方もいるかもしれません。
オフディレイタイマは、入力がOFFになった瞬間から時間を数え始めます。
そして、設定した時間が経過するまでは出力をONのまま保持し、時間になると出力をOFFします。
そのため、
「停止するタイミングだけを遅らせるタイマ」
と考えるとイメージしやすいでしょう。
ここでは、
「入力がOFFになっても、少しだけ動作を続けるタイマなんだ」
というイメージを持っていただければ十分です。
詳しい動作は、このあとラダー図シミュレータで確認していきます。



オンディレイタイマが「動き始め」を時間で制御する命令なら、
オフディレイタイマは「止まり方」を時間で制御する命令です。
この違いを意識すると、2つのタイマの役割が整理しやすくなります。
オフディレイタイマとは?
オフディレイタイマとは、入力がOFFになってから設定した時間が経過したあとに出力をOFFするタイマです。
シーケンス制御やPLCでは、設備や機器をすぐに停止させず、一定時間だけ動作を続けたいときによく使用されます。
例えば、設定時間を3秒にした場合は、
- 入力がONになる
- 出力はすぐにONになる
- 入力がOFFになる
- タイマが3秒間カウントする
- 3秒経過した瞬間に出力がOFFになる
という流れで動作します。


なお、会社やメーカー、参考書によって呼び方が異なる場合があります。
代表的な呼び方は次のとおりです。
- オフディレイタイマ
- オフディレイタイマー
- OFFディレイ
- 断電遅延タイマ
- 断電遅延リレー
- 瞬時動作限時復帰タイマ
呼び方は違っても、基本的な動作は同じです。
このレッスンでは、一般的によく使われる**「オフディレイタイマ」**という名称で統一して解説していきます。



私が現場で一番耳にするのは**「オフディレイ」**という呼び方です。
一方で、技能検定や参考書では**「瞬時動作限時復帰タイマ」**という表現が使われることもあります。
呼び方が違っても慌てる必要はありません。
「入力がOFFになってから時間を数え、あとでOFFになるタイマ」
と覚えておけば大丈夫です。
なぜオフディレイタイマが必要なの?
ここまで読んで、
「入力がOFFになったら、そのまますぐ止まればいいのでは?」
と思った方もいるかもしれません。
確かに、単純な回路であれば、入力がOFFになった瞬間に停止しても問題ないことは多くあります。
しかし、実際の工場設備では、「少しだけ動かし続けた方が安全で、効率が良い」という場面が数多くあります。
例えば、
- 停止するタイミングを調整したい
- 安全性や使いやすさを向上させたい
- 設備を安定して停止させたい
このように、「停止するタイミングを少し遅らせたい」という場面は非常に多くあります。
そこで活躍するのが、オフディレイタイマです。
このあと紹介する身近な例や実際の工場での使い方を見ると、
「なるほど、こういう場面で使うのか」
とイメージしやすくなると思います。



PLCプログラムでは、「いつ動かすか」だけでなく、**「いつ止めるか」**も非常に重要です。
停止タイミングを少し工夫するだけで、設備の安定性や品質が大きく向上することも珍しくありません。
オフディレイタイマは、そのための基本命令の一つです。
オンディレイタイマとの違い
ここで、前回学んだオンディレイタイマとの違いも整理しておきましょう。
混同しやすい2つのタイマですが、違いはとてもシンプルです。
| オンディレイタイマ | オフディレイタイマ |
|---|---|
| 入力がONになってから時間を数える | 入力がOFFになってから時間を数える |
| 設定時間後に出力がONになる | 設定時間後に出力がOFFになる |
| 動き始めを遅らせる | 止まり方を遅らせる |
つまり、
- オンディレイタイマは「スタートを遅らせるタイマ」
- オフディレイタイマは「ストップを遅らせるタイマ」
と覚えておくと分かりやすいでしょう。
この2つはセットで使用されることも多く、PLCを学ぶうえではどちらも基本となる重要な命令です。





私は新人教育のとき、
「ONを遅らせるのがオンディレイ、OFFを遅らせるのがオフディレイ」
と説明しています。
このイメージだけでも覚えておくと、タイマ命令で迷うことがかなり少なくなります。
身近な例で考えてみよう
ここまでで、オフディレイタイマは**「入力がOFFになってから一定時間後に停止するタイマ」**ということが分かりました。
とはいえ、
「実際にはどんな場面で使われているの?」
と感じる方もいるかもしれません。
そこでまずは、身近な例でイメージしてみましょう。
車のルームランプ


最近の自動車では、ドアを閉めてもルームランプがすぐには消えず、数秒間点灯したあと、ゆっくり消灯する車種があります。
これは、夜間でも荷物を整理したり、シートベルトを外したりしやすくするためです。
この動きは、
- ドアが閉まる(入力OFF)
- 数秒間ランプを点灯し続ける
- 時間が経過すると消灯する
という流れになっており、オフディレイタイマの考え方とよく似ています。



最近の車では徐々に暗くなる演出が入るものもありますが、
ここでは、
「ドアが閉まってもすぐには消えない」
というイメージを持っていただければ十分です。
パソコンの冷却ファン


ノートパソコンやデスクトップパソコンでは、高い負荷がかかったあと、処理が終わっても冷却ファンがしばらく回り続けることがあります。
これは、本体内部に残った熱を効率よく逃がすためです。
熱が十分に下がる前にファンを止めてしまうと、部品に余計な負担がかかる可能性があります。
そのため、
- 処理終了
- ファンはしばらく回転を続ける
- 一定時間後に停止する
という制御が行われています。
これも、オフディレイタイマの考え方に近い例です。



身近な製品にも、実は「停止を少し遅らせる」制御はたくさん使われています。
普段の生活の中で探してみると、タイマ制御が意外と身近な存在であることに気付くと思います。
人感センサー照明


玄関や駐車場、マンションの共用廊下などで使われている人感センサー照明も、オフディレイタイマの代表的な例です。
人がいる間は照明が点灯していますが、人がいなくなった瞬間に消えるわけではありません。
通常は数十秒から数分程度点灯を続け、そのあと自動で消灯します。
もし人が見えなくなった瞬間に消えてしまうと、
- まだ近くにいる人が暗くなる
- 少し立ち止まっただけで照明が消える
など、不便になってしまいます。
そこで、
- 人を検知しなくなる(入力OFF)
- 一定時間点灯を維持する
- 時間が経過すると消灯する
という制御が行われています。
このように、オフディレイタイマは**「使いやすさ」や「安全性」を高めるため**にも活躍しています。



オフディレイタイマは、単に時間を数える命令ではありません。
「人に優しい動き」や「安全な停止」を実現するための命令でもあります。
身近な製品にも数多く採用されている理由が、少しイメージできたのではないでしょうか。
【三刀流エンジニアの視点】工場ではこんな場面で活躍!
ここからは、私が生産技術エンジニアとして、実際の設備設計でよく使用してきた例を紹介します。
工場では、「止めるタイミング」が設備の品質や安定稼働、安全性に大きく影響することがあります。
オフディレイタイマは、単に「少し動かし続ける」ための命令ではありません。
設備を安全かつ安定して停止させるための重要な役割を担っています。
コンベアの残品排出(オーバーラン処理)


私が設備設計をするときによく使用するのが、この用途です。
例えば、製品を搬送するコンベアでは、上流設備からの供給が止まった瞬間にコンベアまで停止させてしまうと、まだコンベア上に残っているワークが途中で止まってしまいます。
その結果、
- ワークが設備内に残る
- 次回起動時に詰まりが発生する
- 作業者が手作業で取り除く必要がある
といったトラブルにつながることがあります。
そこでオフディレイタイマを使用し、
- 上流設備が停止する
- コンベアは数秒間そのまま運転を続ける
- ワークを次工程まで送り切る
- その後コンベアを停止する
という制御を行います。
このような「停止後もしばらく運転を続ける処理」は、一般的にオーバーラン処理とも呼ばれ、搬送設備では非常によく採用される設計手法です。



私もコンベア設備では、この制御を何度も設計してきました。
オーバーラン時間は数秒程度のことが多いですが、この数秒が設備の安定稼働を左右することも珍しくありません。
現場では非常に使用頻度の高い使い方です。
冷却ファン・排気ファンの残し運転


工場設備では、ヒーターやモータ、サーボアンプなど、運転中に熱を発生する機器が数多くあります。
こうした設備では、身近な例で紹介したパソコンと同じ原理で、本体の運転を停止した瞬間に冷却ファンまで止めてしまうと、内部に熱がこもってしまうことがあります。
熱が十分に逃げないまま停止すると、
- 機器の温度が高い状態になる
- 電子部品への負担が大きくなる
- 機器の寿命に影響する場合がある
などの原因になることもあります。
そこで、
- 主機を停止する
- 冷却ファンだけ数十秒~数分間回し続ける
- 十分に冷却してから停止する
という制御を行います。
この考え方は、産業機械だけでなく、身近な電気機器にも広く使われています。



特に制御盤内の排気ファンや冷却ファンでは、この考え方を採用している設備をよく見かけます。
「停止したあとも少しだけ動かす」という発想は、設備を長持ちさせるうえでも重要です。
チャタリング・異常判定の誤検出防止


オフディレイタイマは、異常判定を安定させるためにも活躍します。
例えば、光電センサでワークを検出している設備では、
振動やワークの隙間などの影響で、
ON → OFF → ON
と、一瞬だけOFFになってしまうことがあります。
この状態をPLCがそのまま判断すると、
「ワークがなくなった」
と誤認識してしまい、設備が不要な異常停止を起こす場合があります。
そこでオフディレイタイマを使用し、
「センサがOFFになっても、0.3秒程度はONとみなす」
という制御を行います。
もし0.3秒以内に再びONになれば、異常とは判断しません。
逆に、本当にワークがなくなった場合だけ、設定時間経過後に異常と判断します。
このようにすることで、一瞬の信号変化による誤停止を大幅に減らすことができます。
これは、工場設備では非常によく使われる設計手法の一つです。



前回のオンディレイタイマでは、「一定時間ONが続いたら本物と判断する」という使い方を紹介しました。
今回はその逆で、「一瞬OFFになってもすぐには異常と判断しない」という考え方です。
オンディレイとオフディレイは、このように使い分けることで設備の安定性を高めています。
ラダー図シミュレータで動きを見てみよう
ここまでで、オフディレイタイマが実際の設備でどのように使われているのかイメージできたでしょうか。
では次に、PLCではどのようなラダー図で表現するのかを見ていきましょう。
ここからは、ラダー図付きシミュレータを使って学習します。
画面では、
- 入力(X0)
- タイマコイル(T0)
- タイマ接点(T0)
- 出力(Y0)
の状態がリアルタイムで変化します。
さらに、
- 設定値(K)
- 現在値
- 出力がOFFになるタイミング
まで確認できるので、オフディレイタイマの動作がより理解しやすくなります。
やってみよう!
まずは、次の2つを試してみましょう。
① 設定時間を3秒にしてスイッチをONにします。
その後、スイッチをOFFにして、出力がいつ消灯するか確認してみましょう。
次に、
② 設定時間を0.5秒に変更して、もう一度試してみてください。
設定時間によって、出力がOFFになるタイミングが変わることが確認できます。



ラダー図シミュレータでは、現在値や各接点の状態がリアルタイムで変化します。
「どの順番で信号が変わっているのか」を意識しながら見ると、ラダー図がぐっと読みやすくなります。
ラダー図を見るコツ
最初はラダー図が難しく見えるかもしれませんが、次の順番で追いかけると理解しやすくなります。
① 入力(X0)がOFFになる
↓
② タイマコイル(T0)が時間を数え始め、設定時間に達したらONになる
↓
③ タイマb接点(T0)がOFFになる
↓
④ 出力(Y0)がOFFになる
↓
⑤ タイマコイル(T0)がOFFになる
この流れを意識しながらシミュレータを見ると、
「なぜこのタイミングで出力がOFFになるのか」
が自然と理解できるようになります。



ラダー図は、一度に全部理解しようとしなくても大丈夫です。
**「信号がどの順番で変化しているか」**を追いながら見るだけでも、タイマの仕組みがぐっと理解しやすくなります。
PLCのタイマ命令(T・K・現在値)とは?
今見てもらったラダー図は、三菱電機MELSECシリーズで一般的なタイマ命令をイメージしたものです。
タイマ命令には、次のような要素があります。
- T:タイマ番号(例:T0、T1)
タイマを識別するための番号です。 - K:設定値(例:K30、K50)
Kは設定する数値を表します。例えば、100ms(0.1秒)タイマの場合、K30は『0.1秒 × 30 = 3秒』となります。
※タイマの時間単位(100ms・10msなど)はPLCの機種やタイマの種類によって異なります。 - 現在値
現在どこまで時間をカウントしたかを表します。 - タイムアップ
設定した時間に到達した状態です。
オフディレイタイマでは、入力がOFFになった瞬間から時間を数え始めます。
設定時間に到達するとタイムアップとなり、タイマ接点の状態が変化し、出力がOFFになります。
この動きを理解すると、PLCのタイマ命令がぐっと分かりやすくなります。



今回はイメージをつかみやすくするため、100msタイマを例に説明しています。
技能検定シーケンス制御でも、タイマは頻繁に出題されます。
「いつ時間を数え始めるのか」「タイムアップすると何が起こるのか」
この2点を理解できれば、ラダー図はかなり読みやすくなります。
初心者が間違えやすいポイント
オフディレイタイマは基本命令ですが、初心者の方が混乱しやすいポイントもあります。
オフディレイタイマは「入力をOFFにするとすぐ止まる」わけではない
最も多い勘違いが、
「入力をOFFにした瞬間に出力もOFFになる」
と思ってしまうことです。
しかし実際には、
入力がOFFになってからタイマが時間を数え始め、
設定時間が経過するまでは出力をONのまま保持します。
つまり、
「OFFになったあとも一定時間動き続ける」
というのがオフディレイタイマの特徴です。



シミュレータを何度か操作すると、この動きはすぐに理解できます。
「OFFした瞬間ではなく、時間が経過してから止まる」
このイメージをしっかり身に付けておきましょう。
オンディレイタイマとは動作するタイミングが逆
オンディレイタイマとオフディレイタイマは名前が似ているため、混同してしまう方も少なくありません。
もう一度整理すると、
- オンディレイタイマ
- ONしてから時間を数える
- 時間後にONになる
- オフディレイタイマ
- OFFしてから時間を数える
- 時間後にOFFになる
名前だけで覚えるより、
「いつ時間を数え始めるか」
を意識すると混乱しにくくなります。



PLCを勉強し始めた頃は、誰でも一度は混乱します。
私も新人教育では、この2つは実際に動かして比較してもらうようにしています。
シミュレータを使うと違いが一目で分かります。
自己保持回路とは役割が違う
自己保持回路は、一度ONになると、その状態を保持する回路でした。
一方、オフディレイタイマは時間を計測する命令です。
役割はまったく異なります。
実際の設備では、
- 自己保持回路
- タイマ命令
- インターロック回路
などを組み合わせて制御することがほとんどです。







実際のPLCプログラムでは、「タイマだけ」で設備を動かすことはほとんどありません。
これまで学んできた基本回路を組み合わせることで、工場設備のさまざまな動きを実現しています。
レベルチェック練習問題


ここまでの内容を理解できたか、最後に確認してみましょう。
読むだけでは、「分かったつもり」になってしまうことがあります。
実際に問題を解いてみることで、知識がしっかり定着します。
ぜひ、自分で考えてから解答を開いてみてください。



シーケンス制御は、一つひとつの基本回路を積み重ねて理解していくことが大切です。
また、技能検定シーケンス制御でもタイマ命令は頻繁に出題されます。
「なぜそのように動くのか」を理解しながら学習を進めることが、試験対策だけでなく、実際の設備設計や保全業務でも必ず役に立ちます。
レベル1(穴埋め問題)
問題1
入力がOFFになってから、設定した時間が経過すると出力がOFFになるタイマを( )と呼びます。
解答・解説
解答:オフディレイタイマ
解説:
オフディレイタイマは、入力がOFFになってから一定時間だけ出力を保持し、その後OFFになるタイマです。
問題2
オフディレイタイマは、日本語では( )タイマとも呼ばれます。
解答・解説
解答:断電遅延
解説:
参考書や技能検定では「断電遅延タイマ」や「瞬時動作限時復帰タイマ」と表記されることもあります。
問題3
三菱電機MELSECシリーズでは、タイマ設定値を表すために( )を使用します。
解答・解説
解答:K
解説:
例えば100msタイマでK30なら、30×100ms=3秒になります。
問題4
入力がOFFになってから出力がOFFになるまでの時間を決める値を( )と呼びます。
解答・解説
解答:設定値
解説:
設定値を変更すると、出力を保持する時間も変わります。
問題5
オフディレイタイマは、入力が( )になったことをきっかけに時間を数え始めます。
解答・解説
解答:OFF
解説:
オンディレイタイマとの最も大きな違いです。
レベル2(○×問題)
〇か✕かで解答してください。
問題6
オフディレイタイマは、入力がONになってから設定時間後に出力がONになるタイマである。
解答・解説
解答:✕
解説:
これはオンディレイタイマの動作です。
オフディレイタイマは、入力がOFFになってから設定時間後に出力がOFFになるタイマです。
問題7
入力がOFFになったあとも、設定時間が経過するまでは出力はONを保持する。
解答・解説
解答:○
解説:
これがオフディレイタイマ最大の特徴です。
設備をすぐ停止させたくない場面で活躍します。
問題8
コンベア上のワークを送り切ってから停止させたい場合、オフディレイタイマが使用されることがある。
解答・解説
解答:○
解説:
搬送物を途中で止めないために、設備停止後もしばらくコンベアを回転させる制御は、工場設備でよく使用されます。
問題9
入力がOFFになった瞬間に、出力も必ずOFFになる。
解答・解説
解答:✕
解説:
オフディレイタイマでは、入力がOFFになっても設定時間が経過するまでは出力を保持します。
レベル3(考えてみよう)
問題10
あなたが工場の設備設計エンジニアだとして、新しく「お菓子の箱詰めライン」のコンベアプログラムを作ることになりました。
このラインでは、お菓子を箱に入れる「箱詰めロボット」が停止(OFF)した瞬間に、製品を運ぶ「搬送コンベア」も同時にピタッと止めてしまうと、コンベアの途中に中身が空っぽの箱や、お菓子が中途半端に残された箱が置き去りになってしまいます。
このようなトラブルを防ぎ、綺麗な状態でラインを停止させるために、オフディレイタイマをどのように活用すればよいでしょうか。動作の流れと理由を考えてみましょう。
解答・解説
解答:
箱詰めロボットの運転信号がOFF(停止)になった後も、搬送コンベアだけはオフディレイタイマによって数秒間ON(運転)を維持し、コンベア上のすべての箱を次工程へ送り切ってから自動停止させる。
解説:
ロボットが止まったからといってコンベアもすぐ止めてしまうと、ラインの途中に製品が残ってしまい、次に再起動したときの詰まり(ジャム)や、作業者が手作業で回収する手間の原因になります。
そこで「ロボット停止(入力OFF)」をきっかけにオフディレイタイマをスタートさせ、コンベアが空っぽになるまでの時間だけ運転を引き延ばす(オーバーラン処理を行う)のが最適です。
このように、学んだ仕組みを別の設備に置き換えて応用するスキルは、実際の現場での設計や、技能検定の実技試験で仕様書を読み解く際にも非常に重要な力になります。



技能検定シーケンス制御でも、「どのタイマを使えば目的の動作になるか」を考える問題はよく出題されます。
単に命令を暗記するのではなく、「なぜそのタイマを使うのか」まで理解しておくと、実務でも必ず役立ちます。
まとめ


今回のレッスンでは、オフディレイタイマについて学びました。
最後に、重要なポイントを振り返っておきましょう。
- オフディレイタイマは、入力がOFFになってから設定時間後に出力がOFFになるタイマ
- 停止するタイミングを遅らせたいときに使用する
- 断電遅延タイマや瞬時動作限時復帰タイマとも呼ばれる
- コンベアのオーバーラン処理や冷却ファンの残し運転など、工場設備でも非常によく使用される
- オンディレイタイマとは、「時間を数え始めるタイミング」が逆になる



今回のレッスンで一番覚えてほしいのは、
「停止するタイミングを時間で制御する」
という考え方です。
オンディレイタイマとオフディレイタイマ、この2つを理解できると、PLCでできる制御の幅が一気に広がります。
ぜひシミュレータを何度か操作しながら、
「なぜこのタイミングで止まるのか」
を体感し、理解を深めてみてください。
次回レッスン


今回は、「OFFになってから一定時間後に停止するタイマ」
について学びました。
次回は、
「フリッカー回路(点滅回路)」
について学びます。
フリッカー回路は、2つのタイマを組み合わせてランプや出力を一定間隔でON/OFFさせ続ける基本回路です。
工場設備での異常警報や注意喚起など、実際の現場でも活躍する場面が数多くあります。
なぜタイマが2個必要なのか、その仕組みやラダー図の組み方も、動く!体験型シミュレータを使いながら分かりやすく解説します。
ぜひ、次回のレッスンもご覧ください。
シーケンス制御をもっと学びたい方へ
シーケンス制御は、知識を身につけることと、実際に手を動かして試すことを繰り返すことで理解が深まります。
メカトロラボでは、シミュレータを使った基礎学習から、PLCソフトや実機を使った実践まで、段階的に学べるコンテンツを公開しています。
興味のあるステップから、ぜひ挑戦してみてください。
🌱 基礎編
シーケンス制御を基礎から順番に、図解やシミュレータを交えながら楽しく学べるレッスン記事を公開しています。




























🧰 環境構築編
実際にPLCソフトを使った学習や設備設計を始めるための、開発環境の構築方法を解説しています。




- (今後追加予定)GX Works3の初期設定
- (今後追加予定)GX Works3の基本的な使い方
- (今後追加予定)工場エンジニアにおすすめのノートパソコン
- (今後追加予定)おすすめ周辺機器・開発環境
⚡ 実機編(準備中)
リレー・スイッチ・ランプなどを実際に配線し、現場に近い環境でシーケンス制御を学べる記事を公開予定です。
🎓 実践編(準備中)
応用回路や現場で役立つ実践的な内容など、一歩進んだ学習コンテンツを公開予定です。





