こんにちは。三刀流エンジニアです。
生産技術エンジニアとして20年以上、製造業の現場で働きながら、第二種電気工事士・電験三種をはじめとする複数の資格を取得してきました。
第二種電気工事士に合格して、免状も手に入れた。次のステップを考えたとき、こんな気持ちになりませんか?
- 「電気の勉強をもっと続けたい。でも何を目指せばいい?」
- 「電験三種って、聞いたことはあるけど別次元の難しさじゃないのか…」
- 「電工二種を取った自分が、電験三種を目指す意味はあるのか?」
その疑問、私自身がかつて感じたものです。
この記事では、電工二種から電験三種へ挑戦した実体験をもとに、2つの資格の違い・電験三種を目指す価値・合格までの実際の道のりをお伝えします。
「自分にも目指せるかもしれない」と、一歩踏み出すきっかけになれば幸いです。

電工二種と電験三種、何が根本的に違うのか
「工事する資格」vs「監督・管理する資格」

まず、2つの資格の本質的な違いを整理します。
- 第二種電気工事士:
電気工事を「自分で施工する」ための資格。一般住宅・小規模店舗などの電気工事が対象。 - 電験三種:
電気設備を「監督・管理する」ための資格。工場・ビルなどの自家用電気工作物の保安監督が対象。
電工二種が「手を動かす資格」だとすれば、電験三種は「電気設備全体を頭で理解し、責任を持って管理する資格」です。
業務の性質がまるで異なります。電験三種を取得すると、「電気主任技術者」として選任される道が開け、工場・ビル・電力系など幅広い職場での活躍が可能になります。
難易度の差を正直に伝えます
電工二種と電験三種の難易度差は、大きいです。
電工二種の合格率がおおよそ60〜70%(筆記)であるのに対し、電験三種の合格率は長らく10%前後で推移しています。
ただ、「難しい」と「不可能」は別の話です。正しい方法で継続して学習すれば、合格は十分に現実的な目標です。私自身がその証明です。
三刀流エンジニア電験三種を「雲の上の資格」と感じる方は多いです。でも実際に挑戦してみると、正しく学習を積み重ねれば着実に近づける試験だとわかります。まず全体像を知ることが、最初の一歩です。
電工二種を持っている人が電験三種を目指すメリット
電工二種の知識が電験三種で活きる
「電工二種と電験三種は別物だから、ゼロから勉強し直しだ」と思っていませんか?
実際には、電工二種で学んだ知識が電験三種の学習で確実に役立ちます。
私の実体験では、2つの科目で特に助かりました。
- 理論:
電工二種で学んだ電気の基礎(オームの法則・回路の考え方)が土台になり、最初のとっかかりがスムーズでした - 法規:
電工二種で学んだ電気工事士法・電気設備技術基準の内容が、電験三種の法規科目の範囲と重なっています
ゼロからではなく、すでに持っている知識の上に積み上げられる。これが電工二種取得者の強みです。
「電気を本当に理解したい」という動機への答え
私が電験三種を目指した理由のひとつは、「電工二種を取ったけれど、電気を本当に理解できているのだろうか」という疑問でした。
電験三種の学習を通じて、電気の理論・電力系統・機械設備の仕組みを体系的に学ぶことで、その疑問が解消されました。電気の「なぜ」がわかるようになる。これは電験三種の勉強でしか得られない感覚です。
転職市場での評価が別格になる
キャリアの観点でも、電験三種の取得は大きな転換点になります。
電工二種が「電気系キャリアの出発点」であるのに対し、電験三種は転職市場での年収の「天井」を引き上げる資格です。工場・ビル管理・電力系など求人の幅が広がり、資格手当が月1〜2万円つく企業も少なくありません。


電験三種の試験、まず全体像を把握する
4科目構成と科目合格制度
電験三種は以下の4科目で構成されています。
- 理論:電気回路・電磁気・電子回路など。全科目の土台となる最重要科目
- 電力:発電・送電・配電など電力系統の知識
- 機械:変圧器・電動機・照明・電熱など電気機器の知識
- 法規:電気事業法・電気設備技術基準など法律・規定の知識
そして電験三種には、「科目合格制度」があります。
4科目すべてを一度に合格する必要はなく、合格した科目は一定期間有効として持ち越せます。つまり、働きながら受験する社会人にとって、非常に現実的な制度です。



「4科目を一発で合格しなければ」と思うと、ハードルが上がります。でも科目合格制度を使えば、年単位で計画的に進められます。一発合格にこだわる必要はありません。
三刀流エンジニアの電験三種・合格体験談


勉強開始から合格まで約1年3ヶ月
私が電験三種の勉強を始めたのは、ある年の5月でした。そこから科目合格制度を活用しながら、翌年の8月に全科目合格を達成しました。
科目の受験順はこうです。
- 1年目8月:理論のみ受験・合格
- 翌年2月:機械・法規を受験・合格
- 8月:電力を受験・合格(全科目制覇)
最初に「全科目の土台」となる理論を仕上げてから、残りの科目を段階的に攻略していく戦略です。
独学で合格した勉強方法
勉強方法は完全独学です。使ったのは以下の2つです。
- 「みんなが欲しかった!電験三種の教科書&問題集」シリーズ:図解が豊富でわかりやすく、理論から法規まで一貫して使いました
- YouTube「電験合格」チャンネル:テキストだけでは理解しにくい計算問題や概念を、動画で補完しました。無料で質の高い解説が揃っており、独学者には非常に心強い存在です
電験三種を目指す人に伝えたいこと
合格までの道のりは、決して楽ではありませんでした。
難しい計算問題に何度も壁を感じましたし、仕事をしながらの学習継続は体力的にも精神的にも消耗します。
それでも、信念を持って学習を続ければ、合格は不可能ではありません。
電工二種を取得したあなたには、すでに電気学習の土台があります。その土台の上に積み上げていけば、電験三種は決して遠い目標ではないと、経験者として断言できます。



電験三種の勉強で最も大切なのは「継続すること」です。1日30分でも、毎日積み上げることが合格への最短ルートです。難しいと感じる日も、テキストを開くだけでいい。その習慣が、合格を手繰り寄せます。
電験三種を取ったら、何が変わったか
職場での立場が変わった
電験三種を取得してから、職場での周囲の反応が明らかに変わりました。
以前は設計の妥当性について説明に時間を要する場面もありましたが、取得後は「電気の専門家」としての判断を尊重してもらえるようになり、スムーズに業務が進むようになりました。
「電気のことはあの人に聞く」という社内での立ち位置が確立されたのだと感じています。
同時に、「自分がしっかりしなければ」という責任感も強くなりました。周囲から信頼されることは、プレッシャーでもあり、やりがいでもあります。
昇給・昇格につながった
待遇面でも変化がありました。電験三種取得後、評価が上がり昇給・昇格につながりました。
資格取得が即給料アップになるとは限りません。ただ、電験三種は「この人は本気で電気を学んだ人間だ」という証明になるため、評価者の見方が変わります。その積み重ねが、待遇に反映されていきます。
転職市場での選択肢が広がった
電験三種を持つことで、これまでアクセスできなかった求人・企業・年収帯に手が届くようになります。工場の電気主任技術者ポジション・ビル管理・電力系企業など、選択肢の幅が大きく広がります。
「電工二種を取った→電験三種を取った」という積み重ねが、転職市場での最大の武器になります。
電工二種取得者が電験三種を目指すとき、最初にやること
「目指してみようかな」と思い始めた方に向けて、最初の一歩をお伝えします。
まず4科目の全体像をつかむ
電験三種の学習で最初にやるべきことは、「何を学ぶ試験なのか」の全体像を把握することです。
4科目それぞれの内容と難易度感をざっくり把握するだけで、学習計画が立てやすくなります。まずはテキストの目次を眺めるだけでも十分です。
科目合格制度を前提に計画を立てる
働きながら受験する方は、最初から「全科目一発合格」を目指す必要はありません。
科目合格制度を前提に「今年はまず理論だけ」という計画を立てることで、精神的な負担が大きく減ります。私自身もこの戦略で合格しました。
電験三種の具体的な勉強法・参考書選び・科目別の攻略法については、今後メカトロラボで詳しく解説していきます。
おわりに:電工二種の先に、次のステージがある


電験三種は、簡単に取れる資格ではありません。
でも、電工二種を取得したあなたには、すでに電気学習の土台があります。その土台の上に積み上げれば、電験三種は決して遠い目標ではありません。
合格したとき、景色が変わります。職場での立場が変わり、転職市場での選択肢が広がり、何より「電気を本当に理解できた」という自信が生まれます。
その次のステージへの扉を、ぜひ自分の手で開けてください。
まとめ
- 電工二種は「工事する資格」、電験三種は「監督・管理する資格」で役割が根本的に異なる
- 電工二種の知識は電験三種の「理論」「法規」で活きる——ゼロからではなく積み上げ
- 科目合格制度を活用すれば、働きながらでも現実的に合格を目指せる
- 独学でも「みんなが欲しかった!電験三種」シリーズ+YouTube「電験合格」チャンネルで合格できる
- 取得後は職場での立場・待遇・転職市場での評価が別格に変わる
- 信念を持って継続すれば、合格は不可能ではない















