こんにちは。三刀流エンジニアです。
工場の生産設備設計に20年以上携わり、機械・電気・PLCの三分野を現役でこなしています。
第二種電気工事士・電験三種・1級機械保全技能士など、現場で本当に役立つ資格を自分で取得してきた経験をもとに、等身大の情報をお届けします。

「30代・40代・未経験で第二種電気工事士を取っても、転職できるのか?」
ネットで検索すると、「電気工事士はやめとけ」「未経験は無理」「40代では厳しい」といった声が目に入り、不安になる方も多いと思います。
ですが、現場を20年以上見てきた立場からいうと、それらの声の多くはミスマッチからくる誤解です。
正しい職種を選び、正しいアプローチで動けば、30代・40代・未経験でも第二種電気工事士を武器に転職できると断言できます。
実際に、私の周囲でそれを実現してきた人たちを何人も見てきました。
この記事では、以下の内容をお伝えします。
- 「やめとけ」「きつい」という声が出る本当の理由と、その回避策
- 30代・40代が狙うべき職種(工場保全・ビルメン)の実態
- 私が実際に目撃した「未経験からの転職成功事例」
- 最短合格のための学習ステップ
- 資格取得後の転職活動の進め方
第二種電気工事士の取得を検討しているすべての方に、参考にしていただける内容です。
ぜひ最後まで読んでみてください。
※第二種電気工事士の試験概要・勉強法の全体像は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
「電気工事士はやめとけ」「未経験は無理」は本当か?現場目線で答えます

まず、よく目にする不安の声を正面から整理しておきます。
「電気工事士はきつい・やめとけ」の正体
この声が出るのは主に、屋外の電気工事施工現場を指しているケースがほとんどです。
電線の引き込み工事、マンションの新築配線工事、道路脇の工事……。
たしかに夏の炎天下・冬の極寒・屋外での重労働というイメージは、「施工系の電気工事」には当てはまる部分があります。
ただ、第二種電気工事士を活かせる職場はそこだけではありません。
- 工場の設備保全(生産ラインの機械・電気系トラブル対応)
- ビルメンテナンス(ビル設備の点検・管理)
- 設備管理・施設管理(商業施設・病院・ホテルなど)
これらは屋内・空調完備の環境で働けるケースも多く、30代・40代が長く働き続けやすい職場環境です。
「将来性がない」「食えない」は誤情報に近い
電気工事士は、国家資格保有者にしかできない独占業務があります。
太陽光・EV充電設備・工場の自動化設備など、電気を扱うインフラは今後も拡大し続けます。
少子化による人手不足も相まって、資格保有者の価値は中長期的にはさらに上がっていくと考えています。
「何歳まで転職できるか」問題
転職市場での年齢のリアルをお伝えすると、電気系の資格保有者は40代でも採用されるケースは十分あります。
ただし、「未経験・無資格・40代」では確かに難しい。
「未経験でも資格あり・40代」というのは、まったく話が変わります。
資格は「ポテンシャル証明書」として機能するからです。
「資格だけで就職できるか」への回答
資格単体で内定が出るわけではありませんが、資格なしと資格ありでは、書類選考の通過率がまるで違います。
特に工場保全・ビルメン系の求人では、「第二種電気工事士をお持ちの方、未経験でも歓迎」という求人が実際に存在します。
これは資格がないと読めない求人です。
30代・40代が狙うべきはここ|「工場保全」と「ビルメン」を推す理由

第二種電気工事士を取得して転職を考えるなら、30代・40代には工場保全またはビルメンテナンスが最もバランスの良い選択肢です。
施工現場ではなく「保全・管理系」を選ぶ理由
| 比較項目 | 施工系(外工事) | 保全・ビルメン系 |
|---|---|---|
| 勤務環境 | 屋外・現場ごとに変わる | 屋内・空調あり・固定場所 |
| 体力的な負担 | 高い(特に夏冬) | 比較的安定 |
| 年齢的持続可能性 | 50代以降はきつくなりやすい | 経験・判断力で勝負できる |
| 社会人経験の活用 | 技術一辺倒になりやすい | 段取り力・コミュニケーションが活きる |
| 未経験での採用可能性 | 資格+実務が求められやすい | 資格あれば未経験歓迎が多い |
工場保全を特におすすめする理由
ビルメンも良い選択肢ですが、特に製造業での勤務経験がある方には「工場保全」を強くおすすめします。
工場の生産設備を維持・修理する保全という仕事は、現場のことを知っている人間が圧倒的に有利です。
「機械の扱い方がわかる」「製造ラインのリズムがわかる」という経験に、第二種電気工事士の知識が加わると、現場で即戦力として機能します。
また、これまでの社会人経験で身についた段取り力・報告・連絡・相談・コスト意識は、転職後にそのまま評価されます。
技術職への転向といっても、人間力は引き続き活きるのです。
私が実際に見てきた「未経験からの転職成功」3つの実例

ここからは、私が現場で目の当たりにしてきた実例をお伝えします。
実例①:前職とは全く異なる職種から、入社直後に保全配属
ある方は、前職とは畑違いの仕事から心機一転、「手に職をつけたい」と考えて第二種電気工事士を取得し、40代で製造業の保全職に転職してきました。
年齢と職歴だけ見れば、「難しい転職」に映るかもしれません。
ところが、入社直後から保全部署への配属が決まりました。
その背景にあったのが、工場保全の現場の実態です。
実は、工場の保全担当者の中でも、第二種電気工事士の資格保有者は少数派です。
電気の知識を持ちながら現場に入れる人材は、思っているより少ない。
だから、「資格を持っている」というだけで、採用側の見る目が変わります。
「教えれば伸びるかもしれない人」ではなく、「電気の基礎はできている人」として扱われるのです。
実例②:製造ラインから保全・生産技術へ部署異動でキャリアチェンジ
次は転職ではなく、社内でのキャリアチェンジの話です。
工場の製造ラインで長年働いていた方が、第二種電気工事士を取得したことをきっかけに、保全・生産技術部門へ部署異動を果たしました。
この方の強みは、「現場のことを誰より知っている」という点でした。
製造ラインの動きやクセ、機械が壊れやすいタイミング、作業者がどこで困るか……。
そこに電気の知識が加わることで、保全の現場で圧倒的に頼られる存在になりました。
本人のモチベーションも異動後に大きく上がり、社内での評価もついてきました。
「仕事がおもしろくなった」と話していたのが、今でも印象に残っています。
「現場を知っている」×「電気がわかる」の掛け算は、想像以上に強い武器になります。
実例③(私自身の話):機械専門が「電気のわかる人」へ変わった転機
そして、私自身の話もさせてください。
私はもともと機械設計が専門で、電気については完全に未経験でした。
設備の電気回路は「わかる人に任せる」という状態が長く続いていました。
そこで一念発起して取得したのが、第二種電気工事士です。
資格を取った後、周囲の私を見る目が変わりました。
「電気もわかる機械屋さん」として見てもらえるようになり、仕事の幅が一気に広がりました。
そこから先は、連鎖するように広がっていきました。
電験三種の取得、PLC・シーケンス制御の習得、協働ロボットの導入……。
すべての出発点は、この一枚の資格でした。
「電気が少しわかる」というだけで、エンジニアとしての選択肢は確実に増えます。
機械・電気・ソフトの三分野を一人でこなす今の自分は、あの資格がなければ存在していません。
最短合格のための学習ステップ|30代・40代が効率よく進める方法

30代・40代の方は、10代・20代の受験生に比べて使える時間が限られています。
効率を重視した学習計画が、合格の鍵になります。
試験の構成をまず理解する
第二種電気工事士の試験は、①筆記試験(学科試験)→ ②技能試験(実技)の2段階です。
- 筆記試験:マークシート式。電気理論・配線図・法令など。過去問の繰り返しが有効。
- 技能試験:実際に配線作業を行う実技試験。工具と練習材料が必要。
独学でも十分合格できる試験ですが、技能試験は「手を動かす練習量」が合否に直結します。
おすすめの参考書
筆記試験の対策には、読みやすく図解が豊富な参考書を1冊選んで繰り返し読むのが王道です。
メカトロラボで実際に購入してレビューした参考書の中から、特におすすめできる2冊を紹介します。
→ 【実際に買って比較】第二種電気工事士おすすめ参考書レビュー
① すい~っと合格シリーズ
図解が多く、電気の基礎知識がなくても読み進めやすい構成です。学習スタートの1冊目として最適。
② みんなが欲しかった!電気工事士の教科書
カラフルで見やすく、重要ポイントが整理されています。視覚的に学びたい方におすすめ。
技能試験の工具・材料セット
技能試験では、自分で工具と練習用材料を用意する必要があります。
ここで迷う方が多いのですが、結論はシンプルです。HOZANのセットを選べば間違いありません。
工具の詳しい選び方はこちら:
→ 第二種電気工事士の技能試験に必要な工具セット|HOZAN DK-28・DK-52を徹底解説
DK-28:コストを抑えたい方の定番セット
VVFストリッパー(P-958)・圧着工具(P-737)・ペンチ・ドライバー類・電工ナイフが揃っています。まずはここから始めたい方に。
DK-52:より充実した内容で合格を確実にしたい方向け
必要な練習材料2回分セット。準備の手間を減らしたい社会人に向いています。
忙しい方への補足:通信講座という選択肢

どうしても独学では進められない、という方には通信講座も選択肢のひとつです。
時間の読める学習計画と映像解説は、隙間時間での学習に向いています。
おすすめの通信講座をご紹介します。
1. ユーキャン(U-CAN)
【特徴:圧倒的な知名度と手厚いサポート】 最大手ならではの、初学者がつまずかない工夫が随所に凝らされています。
- 教材: 図解や写真が豊富なテキストで、難しい用語も噛み砕いて解説。
- 強み: 技能試験用の練習材料がセットになったコースがあり、施工物の添削指導も受けられます。
- 向いている人: 「何から手をつければいいか全くわからない」「プロに添削してほしい」という完全初心者の方。
2. JTEX(日本技能教育開発センター)
【特徴:技術系に強く、コスパが良い】 50年以上の歴史がある、技術・技能教育に特化した認定養成機関です。
- 教材: 実務に即した丁寧な解説が特徴で、計算問題の途中式なども省略せずに解説されています。
- 強み: 受講料が比較的安価に設定されており、法人採用も多い信頼のカリキュラムです。
- 向いている人: 費用を抑えつつ、硬派でしっかりとした教材で学びたい方。
🔗詳細はこちら↓
電気工事士|資格対策通信教育のJTEX JTEX|ものづくり、技能教育の通信講座なら職業訓練法人日本技能教育開発センター
3. SAT(エスエーティー)
【特徴:動画講義とeラーニングに特化】 現場系の資格に強い通信講座で、スマホ学習のしやすさが追求されています。
- 教材: 「観る」学習を重視しており、専用スタジオで撮影されたフルカラー講義動画が中心。
- 強み: テキストもフルカラーで薄く、要点が絞られているため、学習範囲を広げすぎずに済みます。
- 向いている人: まとまった勉強時間が取りにくく、通勤中などの隙間時間に動画で学習したい方。
4. 資格の学校TAC
【特徴:通学スクールのノウハウを凝縮】 大手資格予備校による、合格への効率を追求した講座です。
- 教材: 過去問分析に基づいた「出る」ポイント重視の教材構成。
- 強み: 技能対策では講師の手元を映した動画が非常にわかりやすく、CBT試験対策も充実しています。
- 向いている人: 効率を重視し、最短距離で合格を目指したい方。
| 講座名 | 主な特徴 | 学習スタイル |
| ユーキャン | 添削・サポートが手厚い | テキスト + 添削 |
| JTEX | コスパと信頼の実績 | テキスト + レポート |
| SAT | 動画のクオリティが高い | eラーニング(動画)中心 |
| TAC | 効率重視のカリキュラム | テキスト + Web講義 |
資格取得後の転職活動|求人の探し方と「履歴書の書き方」

資格が取れたら、次はいよいよ転職活動です。
「動き方を間違えると、せっかくの資格が活かせない」ので、ここも丁寧にお伝えします。
第二種電気工事士で狙える就職先
- 工場の設備保全部門(製造業全般)
- ビルメンテナンス・施設管理会社
- 電気設備の点検・管理会社
- 電気工事施工会社(未経験歓迎求人あり)
- 現職内での部署異動・キャリアチェンジ
求人の探し方:「数より質」を意識する
40代の転職で失敗しやすいのは、片っ端から応募して疲弊してしまうケースです。
「未経験歓迎」「資格保有者優遇」「第二種電気工事士」のキーワードで絞ると、ミスマッチが減ります。
転職サイトで探す場合は、製造業・設備管理系に強いサイトを選ぶと効果的です。
転職エージェントを使う場合は、担当者に「工場保全・ビルメン系で未経験歓迎の求人を探している」と最初から明確に伝えることが重要です。
履歴書・職務経歴書の書き方:「なぜこの資格を取ったか」を言語化する
40代・未経験での転職で、採用担当者が必ず気にするのが「なぜこの年齢で電気工事士を取ったのか」という点です。
ここを曖昧にすると、「とりあえず取っただけ」と思われてしまいます。
動機を前向きに、かつ具体的に言語化することが重要です。
例として、こんな書き方が効果的です:
これまでの〇〇の経験を活かしながら、設備・電気系のスキルを身につけて長期的に貢献できる仕事をしたいと考え、第二種電気工事士を取得しました。資格取得をきっかけに、電気設備・配線の基礎知識を体系的に学んでおり、現場で早期に即戦力となれるよう準備しています。
ポイントは3つです:
- 「なぜ今なのか」を前向きな言葉で説明する
- 過去の経験との繋がりを示す(現場経験・管理経験など)
- 「準備している姿勢」をアピールする(勉強中、練習中など)
志望動機で差がつきます。資格取得後に「なぜ取ったか」の文章を一度整理しておくことをおすすめします。
まとめ:迷っているなら、まず1冊手に取ってみてください

この記事でお伝えしたことを、最後に整理します。
- 「電気工事士はやめとけ」は施工現場の話。工場保全・ビルメンは別物です。
- 30代・40代・未経験でも、資格があれば採用の土俵に上がれます。
- 工場保全は「現場経験×電気知識」の掛け算が効く、社会人経験者に向いた職種です。
- 合格のカギは効率的な参考書選びと、工具を使った練習量です。
- 転職活動では「なぜこの資格を取ったか」の言語化が差をつけます。
今この記事を読んでいるあなたは、すでに行動の一歩を踏み出しています。
今日が、残りの人生で一番若い日です。
この資格は、私自身を変えてくれました。
そして私の周囲でも、何人もの人の仕事人生を変えるきっかけになってきました。
まず参考書を1冊手に取るところから始めてみてください。
それだけで、確実に次のステージへの扉が開きます。
電気が初めての方はこちらもどうぞ:
→ 文系・電気未経験でも第二種電気工事士に合格できる?勉強法と注意点を解説



